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【定番機種比較】KemperかSTRYMON IRIDIUM+その他FXか

こんな方向けの記事です

・iridiumが気になる方
・Kemperが気になる方
既にどちらかを持っていて新しいものの購入を検討してる方

前提としてまず目的が違う機材

現在僕はギター録音に使える機材としてKemperとstrymon(sunset,iridium,Möbius,timeline,bigsky,nightsky)を持っています。

どちらも使うのですが使用率は圧倒的にKemperが上です。

この2つの機材はそもそも目的、立ち位置ががかなり違うように感じます。

(それでもkemper プロファイルプレイヤーなどの登場により比較対象になりやすいようです)

立ち位置の違い

Kemperstrymon iridium+FX
スピーカーにマイクを立てた音
(レコーディング時のサウンドを再現)
IRキャビネット、ルーム・アンビエンス
(空間の再現)
アンプの特定のセッティングをコピー
(リキッドプロファイリング以外)
アンプそのものをシミュレート
Kemperだけで全エフェクト揃う別にペダルが必要
(今回はその他エフェクトをstrymonで統一しsunset,Möbius,timeline,bigskyを追加して比較します)

Kemperの音は録音に特化していて、iridiumは弾いてて気持ちいい音に特化していると言えます。

実際僕も演奏していて気持ちいのはiridiumで、録音には基本Kemperです。

比較した時のKemperの特徴

レコーディングが得意

ミックスした時の音の迫力や存在感、厚みなどKemperのほうが優れています。

ただ、キャビネットにマイクを立てた音を再現している以上、アンプを鳴らしてギターを弾いているときのような空間やアンプと距離を取ったときの音を再現してくれるわけではありません。

キャビの前に耳を持って行ってギター弾き続ける人はいないので(笑)

kemperの音に違和感を感じたり、弾きにくい音と感じることがあるのも理解できます。

それと、いざ音を間違えてもデジタル接続を利用してリアンプできるのもレコーディングや作曲が中心の人にとってはうれしいポイントです。

音作りはrig選び

また、基本的にKemperはプロファイリングした状態(つまみを動かさない状態)でほぼ音は完成しており、そこから極端にEQをしたりゲイン操作したりしてアンプのように使うのはあまり向いていません。

ギターに合わせて微調整する程度です。

Rig選びで勝負がほぼ決まります。

しかしRig exchangeには使えない音も多く存在しており、この仕訳がかなり難関です…

僕も果てしない数のRigを全部聞いていくのはつらいので有料Rigを購入してそこから使うものだけをピックアップしています。

The Amp Factory

https://theampfactory.com/downloads/category/bundles

ちなみにKemper公式でも配布されるTAFシリーズはThe Amp Factoryのものです。

エフェクトが進化している。自分のペダルを使うときは使用法にちょっと癖がある

発売当初は非常に少なかった内臓エフェクトが現在は非常に強化されており、それこそBigSkyのようなシマ―的なリバーブも搭載されていますし、その他オーバードライブやディストーションも定番サウンドを再現したものももれなく用意されています。

コーラスやディレイなどはデジタル機器らしく非常に得意で、ダウンチューニングを再現するピッチシフト機能も高性能。

レイテンシーもなく和音もばっちり追従します。

キャビの後にEQを挟んでハイ、ローパスなどを設定するなどしてミックス処理した後のようなサウンドも作っておくことができます。

以上のように好みのRigが見つかった後もしっかりペダルで追い込むことが可能です。

ただ、別に歪ペダルを使う場合などで、Kemper内のペダルと組み合わせたいときにはセンドリターンを利用して接続し、「Loop Distortion」を配置する必要があります。

これによりペダルに対して音量を突っ込んでペダルをドライブできます。

自身のペダルだけで作る場合は普通にKemper接続前にペダルを繋ぐだけで大丈夫です。

Rigmanagerなしで音作りはできなくはないがやりにくい

基本的にPCに接続してPCで音作りをするものだと思っておいたほうがいいです。

本体にもたくさんスイッチやノブがありますが、正直効率がよくはないのでお勧めしません…

Kemperが向いていないパターン

Kemperがいまいちだという方のほとんどは

・よいRigに出会えなかった

・Kemperの得意なことと目的がマッチしなかった

・アンプそのものをコピーするものだと思っていた(つまみの挙動は実機と変わってきます)

・マイクを立てたサウンドに対してどうすればいいかわからない。

・本体だけで直感的に操作したい

以上のようなパターンだと思います。

なので僕のような作曲がメインでギターを弾いている人にはドンピシャですが、あくまでギタリストであり、自宅やスタジオでいい音を出したいし、気持ちよく弾きたい方には向いていないかもしれません。

比較した時のStrymon-iridiumなどの特徴

心地よいレスポンスと空間表現が得意

Kemperと違いアンプそのものがペダルになっていると言っていい設計です。

なので演奏した時の反応や挙動など、非常に心地よいです。

また、音もストライモン特有の整った都会的なサウンドは他では得られない、シミュレーターながら唯一無二なものです。

kemperのようなマイクを通った後ゆえにマイクの癖が入ってる感じが少なく、中・高音域も素晴らしいサウンド。

またルームリバーブも気持ちよく弾くのに最高ですね。

timelineやMöbius、bigsky、sunsetと組み合わせたら無敵なハイファイサウンド

もちろんiridiumはアンプシミュレーターですのでディレイやリバーブ、モジュレーションは搭載されていませんし、歪みもアンプオンリーです。

なので音を作りこむにはほかのエフェクターが必要になります。

僕はiridiumに合わせてstrymonで統一して使用しています。

SUNSET-iridium-Möbius-TimeLine-BigSkyの順に直接で接続し、Möbius以降はステレオで接続しています。

iridiumにはセンドリターンがないのでキャビを通った後の音にリバーブなどがかかることになります。

レコーディング済みの音に処理をするような並びになるのでもしかしたら何か違いを感じる方もいるかもしれませんが、僕はそういったことに違和感は感じていません。

それどころかstrymonらしいハイファイで気持ちいサウンドがでます。

SUNSETとの組み合わせでドライブサウンドは一通り網羅できる

SUNSETとiridiumでMarshall+TSなどの定番のドライブサウンドはもちろん、RAT系やケンタ系のサウンドもしっかりカバーできます。

正直SUNSETは最初イマイチパッとしない印象もありましたが、非常にバランスがよく、どうセッティングしても破綻しにくい万能な歪ペダルです。

しかもiridiumとの相性も抜群。

ピーキーなサウンド以外であれば大体すべて再現可能です。

Möbiusでモジュレーション、TimeLineとBigSkyで空間

Möbiusは話題になることが少ないペダルですが非常にクオリティの高いモジュレーションペダルです。

今回は細かくは話しませんが、基本的にはコーラスやトレモロを使うことが多いです。

エクスプレッションを繋ぐことでワウとしても使えるマルチなペダルなのですが、ワウでの使用を考えるとスイッチャーなどで並び順を変更できるようにしておくのがベストです。

TimeLineやBigSkyはもはや語ることはないほどの定番機種です。

直感的に音作りが可能、ただ録音や作曲のためにプリセットを管理したい場合MIDI制御が必要

実際につまみを操作するので直感的な音作りが可能です。

またstrymonのペダルはプリセットをたくさん保存できます。

iridiumも300のプリセットが保存可能です。

ただ、その作った音を保存しプリセットに自由にアクセスするにはMIDIでのコントロールが必要です。

また、液晶などがあるわけではないので、プリセットの番号でどの音色だったかエクセルなどで管理する、もしくは暗記しておく必要があるので結構大変です…

ただ、ライブなどで使う方や使う音色がほぼ固定の方はそこまでプリセットも増えないので設定の手間が増えるだけで管理には困らないかもしれません。

strymonで統一して1から集めるととにかく金がかかる。しかし揃ったときの満たされた感は格別

いや、めちゃくちゃ高いんですよ。

やっぱマルチ1台がコスパ最強です。

今回のような例だとペダルだけじゃなくパワーサプライ、スイッチャーやMIDIBOXも必要なうえパッチケーブルも必要になります。

仮に新品で全部揃えたら40万以上かかります。

もちろん、iridiumが今回の話の主役なので、iridium+Line 6 HX Stompとかにするもの全然ありだと思います。

そうすればKemperより少し安いくらいになります。

ほかにもすでに持っているものと組み合わせるならiridiumだけだから安いですね。

とはいえ、語らせてください。

strymonで統一ボードには憧れとロマンがあって追いかけたので!

語らせてください!!

統一してみたら無敵で上質かつ、つまみや箱がたくさんあるペダルボードらしいルックスまで手に入るのです。

所有欲を満たしまくりです。

一通りどんな音も作れます。

ただ、僕はそんな富豪ではないのでメルカリやヤフオクに張り付いて安い物をコツコツ買い集めました。

新品で買ったのはiridiumとパワーサプライくらいです。

strymon-iridiumが向いていないパターン

・作曲作業や録音がメインでたくさんのプリセットを管理する必要があるがMIDIは無理だし管理しきれる気がしない

・コンパクトにまとめておきたい(統一する気がないときにはコンパクトにできます)

・お金はあまりかけたくないけど全機能欲しい

以上のようなパターンだと思います。

あと、これは僕の技術不足もありますが、iridiumの音はきれいすぎてミックスしにくいときがあります。

ボーカルで例えるならU87Aiで録った音とU87系のクローンで録った音の違いみたいな。

ぱっと聞いた感じはすごくきれいでカッコいいサウンドなことが多いU87系のクローンですが、ミックスの時に妙に浮いたり、埋もれてしまったり。

その点本家はどっしりしてて簡単に混ざってくれる。

その時のような違いです。

まとめ

しおかぜ
しおかぜ
そもそも本来の目的が少し違うということを考えるとどちらを選ぶべきかはっきりすると思います。気持ちよく弾きたい方はiridium、録音した音やその後のミックスも考えるならKemperです。

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